今年もやりました。
ドイツに来て3回目の味噌仕込みでございます。
本当は冬の間に仕込みたかったんだけど、妊娠初期で体調も悪く延び延びになってしまい
やっとの思いで3月に仕込んだ麹で、先週作りました。
1年目は日本で買ってきた麹で仕込み、2年目は手作り麹に挑戦し上手い事いったので
今年は、またまた手作り麹でもって、6キロ分の味噌を仕込むことに。
味噌作りで一番難しいのは麹作りだけど、なんとなく勘もつかめて来たので、きっちりと
作業工程を立てて寝る間も惜しんで望んだ去年と打って変わり、今年はやることだけ
きっちりやって、あとは放置。
ずいぶん楽した割には、今年も味噌作り大成功と見た!(結果は1年後)
ということで、完成しつつある私の手作り麹+味噌レシピを公開します。
材料は麹菌以外、すべてドイツで手に入るものを使用。
麹菌はネットで購入できるこういうものを使ってます。
重要なのは、麹菌を発酵させる場所。
30~32度の温度を48時間保てる環境が必要です。
私はいろいろ試行錯誤した結果、
コレに落ち着きました。
では、作り方いってみましょう。
味噌出来高6キロ分の材料
大豆 1.3kg
麹 米2kgで作ったもの
塩 800g
(きりのいい所で、大豆1kgで作る場合、麹も1kg、塩430gで3.6kgの味噌ができます)
麹を作る
材料 米 2kg
麹菌 8g
1、米をよーく洗って一晩水につけておく。(6~8時間)朝浸けて夕方上げるのも良し。
2、ざるに米を上げて、1時間ほどしっかり水を切る。
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時々米の上下を入れ替える感じでかき回し、満遍なく水を切る。 |
3、さらしを敷いたパットに水切りした米を広げ、麺棒などで米を砕く。だいたい1粒の米が
2つに砕けるくらい細かく。これをすることで菌のまわりを良くします。
4、4カップの水と蒸し器を入れた圧力鍋にさらしごと米を入れて、強火で加熱。
圧がかかったら弱火にして10分加圧。その後は自然冷却で圧を抜く。
今回は米の量が多くて1度に蒸せなかったので、米を大体半分に分けてこの作業を2回行いました。
水の量も半分で!1度目に蒸しあがった米は保温ジャーでさめない様に保温しておきます。
蒸しあがりの米は、固めでかつ芯が残らないように
5、蒸しあがった米をパットに広げて、しゃもじで切るようにして、あら熱を取りながら
水分を飛ばす。そして冷めないうちに麹菌を茶漉しでふるい入れ、米に万遍なく
混ぜる。
麹菌は米1キロに対し1gでもできるそうですが、私は素人なので4倍の菌を入れてます。
6、ざるの上にさらしで包んだ5の米を乗せて、それを30~32度のところで24時間保温。
10時間後ぐらいに一度様子を見て、米に空気を入れるように手でシャッフルしてあげる。
米は密閉せずにフワっとつつみ、空気がちゃんと回るように、茶碗とかに乗せたりして
工夫する。
7、24時間後、こんな感じになってます。
まだ完全ではないけど、フワッした菌糸が米全体に纏ってる感じ。
米に熱がこもってるので、ここで1度全部パットに広げて素早く空気入れのシャッフルをして
人肌以下に冷めないうちにまたさらしに包んで、再び30~32℃で24時間保温。
8、その24時間後はこんな感じ。保温開始から48時間経過。
米の一粒一粒に菌がびっしりくっついています。
そうでないものもあるけどあまり気にせず、ここでも7と同様の作業をして今度は約半日
6~8時間、30~32℃で保温します。
9、保温が終了したら、パットにまた全部米を広げ固まってるところがあったらポロポロと
手でほぐし、15℃ぐらいのところで1日乾燥させる。時々様子を見て上下をひっくり返して
あげる。
そして、麹完成
出来上がった麹は、冷凍しちゃいけないみたいです。
すぐに使えない場合は、冷蔵庫で保存して早めに使いましょう。
お次は
味噌を仕込む
材料
大豆 1.3kg
塩 800g
米2kgで作った麹
1、大豆をよーく洗って3倍ぐらいの水に18時間以上浸けておく。
18時間後、大豆を割ってみて芯が残っていたら、芯がなくなるまで浸ける。
2、大豆の水を切って圧力鍋に入れ、豆がヒタヒタに浸かるぐらいの水をいれて20分
加圧。その後自然冷却。
大豆の固さは、親指と小指で簡単につぶせるぐらい
3、煮あがった大豆をつぶす。
すり鉢とかでもいいけど、今回は量が多かったのでハンドミキサーでひたすらガーっと
潰します。全部きれいに潰せずたまに大豆が丸々残っていても、あまり気にしない。
4、麹に塩をよーく混ぜておく。米にすりこむようにして。
5、3の潰した大豆と4の塩を混ぜた麹をよーくまぜて、容器に敷き詰めてゆく。
私はドイツの発酵食ザワークラウトなどを仕込む壷を、味噌仕込みで使います。
去年もこれで作りましたが、問題なくおいしい味噌ができました。
敷き詰める味噌は、間に空気が入らないようにギュウギュウ詰めにします。
最後もきっちり平らにして、この上にさらにラップを敷いて空気を抜き、その上から
1kgぐらいの塩を敷き詰める。
そして、1年間常温で発酵させる。
途中3ヶ月ぐらいたったら、1度かき回すと良い。
あとは、たまーにカビが生えてないかチェックする。
もしカビが生えていたら、その部分を丁寧に取り除いて、再びしっかり空気を抜いて
塩の蓋をする。
日本の夏は暑いのである程度涼しい場所で保管するのがいいみたいだけど、
私の家は夏でも室内は平均で18度ぐらいなので、台所の隅に1年間置いて上手く発酵
できます。
出来上がったお味噌は、冷凍庫で保存ができます。
6キロの味噌って、どのくらいでなくなるんだろう。
ちなみに費用の方は6キロ作って10ユーロぐらいかな。
いつもはヒマラヤの上等な岩塩を使ってるんだけど、今回はちょっと安目の海の塩を使ってる
ので、コストもここまで抑えられました。
味噌が壷に納まるまで、ぶっ通しでやれば4日ぐらいかかる仕事だけど、実際に作業するのは
2~3時ぐらいなもんです。
私も麹作りなんて始めるまで2年は掛かるぐらい腰が重かったけど、何度かやってみて
手作り味噌の味を覚えてしまった今、ドイツで売ってる市販の味噌は買う気にならないし
これはもう一生作り続けるんだろうと思ってます。
とりあえず、身近なところで材料が手に入り、気軽に作れる味噌はマスターしたつもりなので
今度はもうちょっと幅を広げて、麦味噌とか白味噌とか雑穀でつくる麹とかにも、いずれは
チャレンジしてみたいなーと思ってます。